きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 自覚は無かったが、前回往診に来てくれたリデルを、
「気持ち悪いくらいに見つめ続けていた」とリーブスに注意をされた。
 仕方ないだろう、と言い返したかった。
 ずっと避けられ続けていて、ようやく会えたリデルから目を離したくないのは、仕方ない。
 
 

 が、時間が無いのは確かで、早速話を聞いて貰うことにした。
 帰宅が遅いリデルを待っているデイヴの事も気掛かりで、リデルが叱られないよう、早く帰さなくては、と思うと。
 何から話せばいいのか、迷い。

 
 ジェレマイアは温室の奥に設えられた、ガーデンチェアにリデルを座らせた。
 そして、用意されている膝掛けを丁寧に広げて膝に掛け、彼女の前に跪き、手を差し出した。
 


 次にリデルとふたりきりで会えるのは、いつになるか分からない。
 1番に伝えたい大切な話から始めると決めた。


「リィの手はかつて俺が苦しんでいた時、救いを与えてくれた。
 この手に触れられると、痛みも苦しみも、消えた。
 ずっとリィが傍に居てくれるなら、俺はどんな苦労も厭わないし、全力で君を幸せにする努力を続ける。
 返事は俺の話を聞いてからで構わないから、先に言わせて欲しい。
 ……リデル・カーター、私と結婚してください」


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