きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 ジェレマイアは知っている。

 あんな夢を定期的に見るのは、神が忘れるな、と教えてくれているからだ。

 ジェレマイアの神は、全ての人を許せ、とは言わない。
 全ての人に救いの手を差しのべろ、と言わない。

 
 今度こそ、ちゃんと母親を助けてやれ、と繰り返し夢を見せるのではなく。
 今度こそ、手を伸ばしたりせず、落ちていく母親を嗤ってやれ、と定期的に夢を見せるのだ。


  ◇◇◇


「私と結婚してください」

 ジェレマイアからのプロポーズに、リデルは何も返さず、ただ彼の顔を見つめている。

 リデルの見せる戸惑いがジェレマイアにも通じたのだろう。
 また間違えて暴走してしまったみたいだ、と気付いて。
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