きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
「デイヴは俺が生まれてから雇用されているから、関わっていない」

「良かった……いえ、ごめんなさい。
 大事な話の途中なのに、自分の事ばかり」


 デイヴの隠蔽関与を確認したことを申し訳なく思うリデルだが、ジェレマイアはそれに却って安心する。
 彼女は自分に申し訳ないと謝ってくれるが、それは反対に言えば。
 話を聞いて疑問や心配があっても、こちらを気遣って尋ねなければ、彼女はひとりでそれを抱えて悩み、苦しむようになるだろう。
 
 それだけはして欲しくない。
 リデルはジェレマイアの話を聞きたい、と言ってくれた。
 そして、自分の気持ちも隠さずに話してくれる。


 これからは、自分の事なら、どんな事でも話そうと決めた。
 それを知っても、きっとリデルは俺の手を握ってくれる。 


「デイヴは、俺を伯爵夫人の虐待から救ってくれた。
 あの女は下等な俺には直接触れたくないから、家庭教師を使って、鞭で打たせてた。
 いつも俺が痛がると、リィがそこに手を当ててくれていた。
 何度でも言う。
 この手が、俺を助けてくれていたんだ」

 
 
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