きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 リデルは最後まで黙って聞いていたが、ジェレマイアが心配になる。
 どうして彼はこんな理不尽を、他人事のように話すのだろう。
 
 そんなリデルの戸惑いに気付いたのか、彼は表情も声の調子も明るく変えた。


「こんな話は俺だけじゃない。
 王都では皆が、普通にそれを受け入れてた。
 テリオス殿下なんて、家族に毒を盛られていたが、それを笑って話してた。
 俺は鞭打ちだったり、それを無かった事にされたけど、命までは狙われていない。
 ましな部類じゃないかと思ってるぐらいだから、リィはそんなに心配しなくてもいい」

「……」

「俺はちゃんとした親子関係だって、知ってる。
 デイヴと君がそうだ。
 まともじゃない生まれ育ちの俺だけど、善悪の判断は出来る。
 君となら、俺は善き方向へ向かっていける。
 俺の気持ちは重過ぎるかも知れないが、引き受けてくれないかな」


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