きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
32 リデル
シェリーの結婚式の翌日。
仕事に出る前に、父デイヴに声をかけられた。
「昨日、借りていたコートと靴、エラには俺から返しておこうか」
借りた、と言って渡されたその2つは、本当はジェレマイアが買ってくれたものだ。
返さないで、と彼からは言われているが、いつまでも手元に置いておける訳がない。
素材もデザインも良質なそれらは、本邸できちんと正しく手入れをされて、保管された方が良い事は分かっていて。
何よりデイヴには、ジェレマイアとの関連を疑われたくなかったので、身分不相応な物は早く手離した方が良い事も理解していた。
それでも、リデルはまだ少しの間だけでいいから持っていたかった。
昨日エルザ達に掛けて貰った綺麗になる魔法は、1日経って消えてしまったけれど。
仕立て直されたドレスと共にジェレマイアからの贈り物が、まだその魔法は続いているような気持ちにさせてくれる。
昨日のジェレマイアとの時間が本当にあった事だと実感出来るようで、しばらくはまだ目に触れていたい。
仕事に出る前に、父デイヴに声をかけられた。
「昨日、借りていたコートと靴、エラには俺から返しておこうか」
借りた、と言って渡されたその2つは、本当はジェレマイアが買ってくれたものだ。
返さないで、と彼からは言われているが、いつまでも手元に置いておける訳がない。
素材もデザインも良質なそれらは、本邸できちんと正しく手入れをされて、保管された方が良い事は分かっていて。
何よりデイヴには、ジェレマイアとの関連を疑われたくなかったので、身分不相応な物は早く手離した方が良い事も理解していた。
それでも、リデルはまだ少しの間だけでいいから持っていたかった。
昨日エルザ達に掛けて貰った綺麗になる魔法は、1日経って消えてしまったけれど。
仕立て直されたドレスと共にジェレマイアからの贈り物が、まだその魔法は続いているような気持ちにさせてくれる。
昨日のジェレマイアとの時間が本当にあった事だと実感出来るようで、しばらくはまだ目に触れていたい。