きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 この時間にあくせく仕事をしなくてもいい男。
 背が高く、容姿は極上。 
 身に付けている物も、高価で。
 そして、女にまめだ。
 出自の分からない、リデル・カーターには勿体ない。


 最初の予定は、直接リデルに会い、
「あんたは娘でも姪でもない、デイヴと血が繋がっていない赤の他人なんでしょ、北大陸から来た魔女だと皆にばらすから」と言ってやるつもりで、昨日待ちぶせをしていた。
 しかし、話しかける前に本屋に入られて、この男の存在を知った。
 それで作戦を変えた。
 リデルにではなく、この男に教えてやろうと思ったのだ。

 きっと男は、魔女であるリデルと別れるだろう。
 昨日まで優しかった男に急にふられるのは、どんなにきついか、シーナはクラークにされて知っている。

 その理由を告げられて、傷付き。
 その理由を教えられなくても、傷付く。
 それを、リデルへの復讐にしようと思った。


 その上で、この綺麗な赤毛の男はわたしが貰うとシーナは決めた。
 回りを見回して、近くに人が居ないか、確認する。
 
 そして、いかにも心配する様子を見せて、男に囁いた。


「わたしはシーナといいます。
 リデルの友人です。
 リデルの事で、大事な話があるんです。
 貴方以外には、知られたくない話です。
 あの子を魔女だという人がいます。
 少し、お時間を貰えません?」 

 
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