きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
「5日後にウエストヒルの連中が来て、養子縁組をする。
 お前はベアトリスをエスコートしろ」


 息子の返事も待たずに、それだけを言うと、父親は立ち上がり、止めを刺すようにその言葉を口にした。


「この血と色を継ぐ、ただそのためだけに作られたお前を、逃がさないからな」


 
 リデルの家まで、彼女を送る。
 たった1時間もない、この逢瀬。
 今度はいつ会えるか分からないと、慌ててしたプロポーズにリデルは応えてくれた。
 だからこそ、今会えていて。
 この道がずっと続く事だけが、ジェレマイアの望みだ。


 リデルには、何も隠さずに話すと決めた。
 でも、この件だけは、全て決まってから話す。


 予定では、テリオスからの連絡を待って動くはずだった。

 しかし、もうのんびりとはしていられない。 


 3日の内に、ジェレマイアはイングラムを出ると決めた。
 

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