きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
「もういい、って。
いい加減にしてよ、あの婆さんが、とか。
適当に話作ってるんじゃないの」
「もう1杯だけ、飲めたらさ、全部思い出すと思うんだよ、婆さんの名前とか」
「いや、飲まさないから。
最後まで全部話したら、飲ましてやるけどね」
シーナが冷たく、袖を振り払うと、女はようやく本腰を入れて話し出した。
これ以上は引き伸ばせない、と悟ったのだろう。
酒臭い息を吐いて、掌をシーナに向ける。
「あたしが働いていたとこの婆さんが、何か不思議な力を持ってて、こう手を当てて病人を治す女で。
治療士の看板はあげてないのに、来るのは色々と訳ありみたいな奴が多かった。
多分、紹介とかで来てるんだろうけど。
そこにあのデイヴがよく、高熱を出した娘を助けてくれ、って来てたんだ」
デイヴ・カーターは本邸に雇われている。
イングラム領で、1番の治療士だ。
そのデイヴが年寄りの女に、リデルを助けて、って?
「あたしは元々イングラムの女だけど、婆さんもデイヴもよそ者だ。
15年くらい前に住み着いた時は、デイヴは独り身で。
それから2年くらいして急に、5歳くらいの娘が出来ました、だから」
「それ……リデルは養女?」
いい加減にしてよ、あの婆さんが、とか。
適当に話作ってるんじゃないの」
「もう1杯だけ、飲めたらさ、全部思い出すと思うんだよ、婆さんの名前とか」
「いや、飲まさないから。
最後まで全部話したら、飲ましてやるけどね」
シーナが冷たく、袖を振り払うと、女はようやく本腰を入れて話し出した。
これ以上は引き伸ばせない、と悟ったのだろう。
酒臭い息を吐いて、掌をシーナに向ける。
「あたしが働いていたとこの婆さんが、何か不思議な力を持ってて、こう手を当てて病人を治す女で。
治療士の看板はあげてないのに、来るのは色々と訳ありみたいな奴が多かった。
多分、紹介とかで来てるんだろうけど。
そこにあのデイヴがよく、高熱を出した娘を助けてくれ、って来てたんだ」
デイヴ・カーターは本邸に雇われている。
イングラム領で、1番の治療士だ。
そのデイヴが年寄りの女に、リデルを助けて、って?
「あたしは元々イングラムの女だけど、婆さんもデイヴもよそ者だ。
15年くらい前に住み着いた時は、デイヴは独り身で。
それから2年くらいして急に、5歳くらいの娘が出来ました、だから」
「それ……リデルは養女?」