きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 そんな話は聞いた事がない。
 この女が知ってるなら、他の人だって知ってるはず。


「リデルは妹の子供で、妹夫婦が亡くなって自分が引き取った、と回りには説明はしてたみたいだけど」

「じゃあ伯父さんと姪じゃない」

 伯父が姪を養女にして、何の問題がある。 
 だから、誰も何も言わなかった。
 如何にも訳ありな感じで話す女にいい加減げんなりしてきた。


「リデルは黒髪で、目は茶色だろ、この国では珍しい。 
 片や、伯父のデイヴは、この国に多い金髪に薄いブルーの目だ。
 婆さんも白髪だったけど、むかしは黒髪で目が茶色だった、と聞いてたのさ。
 それも普通の茶色じゃない。
 力を使うと、少し赤い色が入るのを、何度も見たよ。
 これは北大陸の人間が力を使った時の色だ、って婆さんは言ってたね」

「……」


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