きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
「お前が自分の実家だと皆に思わせてるワトリー生花店は、伯母が嫁に行った家だろう。
 実家のザック家はグローヴにある小規模の花農家。
 田舎で細々と農業をするのが嫌で、初等学校を卒業してから直ぐに、伯母の家に生活費を入れて居候している。
 今の職場は、パークサイドホテルだったな」

「……」

「安い生活費で義理の伯父がお前を家に置いているのは、伯母の目を盗んで、お前と時々お楽しみをするからだ。
 初等学校を卒業してだと13か14くらいで、お前は花屋のワトリーに純潔を捧げて、領都に引き取って貰えた。
 それとも、田舎に居た頃の教師が初めてのお相手か」

「……もう、やめて!」

「なんだ?」

「分かりましたから!
 分かりました、誰にも言ってないし!
 誰にも言わないからっ!
 ……だから……もうやめてよ……」

「やめて? は? これを始めたのは俺か? お前からだろ?
 攻撃しようとするなら、反撃を食らうのも覚悟しとけよ。
 でも、まぁいい、取引をしよう」  

「……取引……わたし、お金は無くて……」


 実家の場所だけでなく、誰にも知られたくなかったワトリーの伯父との事も、この男には知られていた。
 何故、自分が調べられたのか、分からないが。
 取引と言われても、お金は払えない。

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