きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
テリオスの護衛というだけで、具体的には説明されないことに不安もあるが。
行く当ても無いのに、自分を受け入れてくれたらリデルを連れて家を出たいジェレマイアを、助ける気持ちがテリオスにある、と初めて知って。
知り合って6年目にして初めてテリオスに、敬愛の念を持った。
その時には、それだけで終わった話で。
以降、テリオスがそれを口にする事はなかったので、ジェレマイアからは「あの話は有効ですか?」とも聞けず、何となく有耶無耶になっていた話だったのだが。
卒業式の前日、王族専用特別室で。
もうここで馬鹿話をするのも、これが最後、とひとり呼び出されたジェレマイアはテリオスから指輪を手渡された。
それは魅了の話をしていた時に見せられた、王族のみが持つ魔力に抗う力を持つと説明された指輪だった。
「これを持って、俺のところに来い。
一旦、愚かな第2王子は表舞台から退くが、あいつらが自滅していくのは時間の問題だ。
その時はふたりで返り咲く」
そう言った時のテリオスの顔からは、あのいつもの自分を偽る微笑みが消えていた。
行く当ても無いのに、自分を受け入れてくれたらリデルを連れて家を出たいジェレマイアを、助ける気持ちがテリオスにある、と初めて知って。
知り合って6年目にして初めてテリオスに、敬愛の念を持った。
その時には、それだけで終わった話で。
以降、テリオスがそれを口にする事はなかったので、ジェレマイアからは「あの話は有効ですか?」とも聞けず、何となく有耶無耶になっていた話だったのだが。
卒業式の前日、王族専用特別室で。
もうここで馬鹿話をするのも、これが最後、とひとり呼び出されたジェレマイアはテリオスから指輪を手渡された。
それは魅了の話をしていた時に見せられた、王族のみが持つ魔力に抗う力を持つと説明された指輪だった。
「これを持って、俺のところに来い。
一旦、愚かな第2王子は表舞台から退くが、あいつらが自滅していくのは時間の問題だ。
その時はふたりで返り咲く」
そう言った時のテリオスの顔からは、あのいつもの自分を偽る微笑みが消えていた。