きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
43 ジェレマイア
テリオス殿下は、王族しか持てない曰く付きの指輪を、男爵令嬢ミネルヴァからよく見せて、と請われるまま指から抜き、そのまま紛失した。
己れの立場にあるまじき、第2王子の無責任で浅はかなその行動は。
弟王子に肩入れする国王陛下も、王妃殿下の追求から庇いきれず。
彼は断種こそされなかったが、継承権を失くし、王都を追放された。
それを哀れに思った王子の大伯父である尊くも慈悲深き神の使徒、大主教アリステア・ミロード・ミンチェスター聖下が王子ではなくなったテリオスの後見人となり、新たな人生へ導く事を陛下に承諾させ、彼は神の下僕となった……
までが、愚かな元第2王子テリオスが、ここシェイマス大聖堂へ至るまでの経緯だ。
ジェレマイアは卒業パーティー前日に、テリオス自身の手で渡されてからは、ずっと肌身離さず付けていた細い銀鎖に通した指輪を西門の聖騎士に見せ、自分の名を告げた。
必ず、西門を通るように、と何度もテリオスに念を押されていたからだった。
己れの立場にあるまじき、第2王子の無責任で浅はかなその行動は。
弟王子に肩入れする国王陛下も、王妃殿下の追求から庇いきれず。
彼は断種こそされなかったが、継承権を失くし、王都を追放された。
それを哀れに思った王子の大伯父である尊くも慈悲深き神の使徒、大主教アリステア・ミロード・ミンチェスター聖下が王子ではなくなったテリオスの後見人となり、新たな人生へ導く事を陛下に承諾させ、彼は神の下僕となった……
までが、愚かな元第2王子テリオスが、ここシェイマス大聖堂へ至るまでの経緯だ。
ジェレマイアは卒業パーティー前日に、テリオス自身の手で渡されてからは、ずっと肌身離さず付けていた細い銀鎖に通した指輪を西門の聖騎士に見せ、自分の名を告げた。
必ず、西門を通るように、と何度もテリオスに念を押されていたからだった。