きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
  ◇◇◇


「今回の王女の件には、王妃と叔父貴は関わっていない。
 ユーシスとクリスティアナが調子に乗って勝手にした事だ。
 あいつらが用意した男も単なる男娼で、ミネルヴァのような特別な力など持っていなかった。
 現状は、ユーシスとクリスティアナのところで話は止まっているが、このまま尋問が続けば。
 あいつらのどちらかは、必ず王妃と叔父貴の名前を出す。
 その前に、とあのふたり、こちらも不倫の関係の王妃と叔父貴は国内の味方になりそうなものに、接触を始めたらしい」

 
 テリオスはリデルの名を書いた紙を、ジェレマイアに寄越しながら、説明を続けた。
 渡された紙を持つ己の両手が、怒りと後悔で震えているのを、ジェレマイアは自覚していない。


 側近にはしないと言っていたのに、こいつは俺を逃がさないように、次々と聞いてはいけない情報を会話の中に入れてくる。
 王妃と公爵は不倫の関係……そんなのは聞きたくなかった。
 国内の奴等に接触、それはすなわち……



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