きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
45 リデル
思い返して見れば、子供の頃から何度も言われた事がある。
「リデルは貰われっ子のくせにさ、生意気なんだよ!
わたしの母さんが言ってたもん!」
「……そんなことない、嘘つかないで!」
「だってあんた、お父さんと全然似てないよ!
何、その真っ黒な変な髪の毛!」
仲良くしている時には言わない意地悪も、喧嘩をすればぶつけられてしまう。
攻撃の対象は、皆とは違うリデルの髪色になることが多かった。
お前の髪は変だ、気持ち悪いと言われて。
自分達とは違う、異質なものを子供は嫌う。
その頃住んでいた地域の初等学校では、男子に髪を掴まれた事もあるし、クラスを仕切っていた女子達に囲まれて、伸ばしていた髪をはさみで短く切られそうになった事さえあって。
幼いリデルにとっては色素の薄い人々の中で、どうして自分だけが、こんなに暗い色を持っているのか。
納得出来なくて、泣きながら金色の髪の父に訴えた。
デイヴの答えは、亡くなった母が黒髪だった、なので。
こんな髪なんか欲しくなかった、嫌だ、と繰り返すリデルを抱き締めて。
ようやく泣き止んで落ち着いた頃を見計らって、娘に母が遺したという護符を見せた。
「リデルは貰われっ子のくせにさ、生意気なんだよ!
わたしの母さんが言ってたもん!」
「……そんなことない、嘘つかないで!」
「だってあんた、お父さんと全然似てないよ!
何、その真っ黒な変な髪の毛!」
仲良くしている時には言わない意地悪も、喧嘩をすればぶつけられてしまう。
攻撃の対象は、皆とは違うリデルの髪色になることが多かった。
お前の髪は変だ、気持ち悪いと言われて。
自分達とは違う、異質なものを子供は嫌う。
その頃住んでいた地域の初等学校では、男子に髪を掴まれた事もあるし、クラスを仕切っていた女子達に囲まれて、伸ばしていた髪をはさみで短く切られそうになった事さえあって。
幼いリデルにとっては色素の薄い人々の中で、どうして自分だけが、こんなに暗い色を持っているのか。
納得出来なくて、泣きながら金色の髪の父に訴えた。
デイヴの答えは、亡くなった母が黒髪だった、なので。
こんな髪なんか欲しくなかった、嫌だ、と繰り返すリデルを抱き締めて。
ようやく泣き止んで落ち着いた頃を見計らって、娘に母が遺したという護符を見せた。