きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
「……誰が言ってる?」

「誰が、じゃなくて……
 だって、父さんとは全然似ていないじゃない?
 貴方に話したのは、わたしを妻にすると言ってくれたから。
 本当は黙って身を引くべきなのかもしれないけれど。
 どうしてもわたし……貴方に相応しく無いけど……」

「は? 何、何言ってる?」

 最初は呆気に取られたようなジェレマイアだったが、リデルの言わんとしている事が違う形で伝わって、彼の表情が歪んだ。


「身を引くとか、相応しくない、とか、何?
 早い話、俺と別れたい、って事?」

「ちが、違う! 別れたいんじゃない!別れたいわけがない!
 だけど、そんな、そんな女だって分かってて、わたしと結婚出来る?」

「捨て子で魔女だから?
 ふざけるなよ、もう逃がさない、と俺は言っただろ?
 そんな事は最初から分かってて、こっちはリィしか要らないってプロポーズしたんだ!」

 リデルは、自分が捨て子で魔女、と言うことよりも、身を引く、と言った事がジェレマイアをこんなに怒らせたのだ、とようやく気付いた。
 彼から怒りを向けられたのは初めてだった。


「最初から分かってた? わたしが捨て子だって知ってたの? どうして……」

「……」

 ベアトリスが、彼に会って話したのだろうか?
 でも最初から?


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