きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 少し吐いただけで、眠くもないのにベッドで横になっていると、扉がノックされて。

 

 リーブスには、リデルとあの男がどうなっているのか、調べて欲しい、とは頼んでいたが。
 

 仕事が出来る家令リーブスは、リデル本人を連れてきてくれた。



  ◇◇◇



「このままでは、本気になったあいつらに影を使われるだろうからな。
 毒は避けられても、実力行使に出られたら、多分こちらが負ける。
 だから一旦、愚かな第2王子は表舞台から退く」



 それはテリオスが仕掛けた、賭けだった。 


「お前も1枚噛まないか?」と第2王子に誘われて。
 卒業パーティーで流行りの小説になぞらえて、婚約者の侯爵令嬢に婚約破棄を宣言したテリオスに便乗して。
 ジェレマイアも自分の婚約者のカートライト伯爵家のアリアナ嬢に、婚約破棄を告げた。


 元々アリアナ嬢との婚約は、卒業後に破棄ではなく、解消に持っていく予定だった。
 勿論、それはジェレマイアの有責で、解消の慰謝料も祖父が遺してくれた私有財産から支払うつもりだったのだ。


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