きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
双方にとって特に旨味の無いカートライトとの縁組は、政略の意味もなく母親が整えたもので、父親はそれを了承しただけのようだった。
どうにかして婚約を白紙にしたくて、リーブスに頼んでその背景を探れば、アリアナ嬢の叔父が母親の初恋の男だった。
父親は知らないのだろうから、イングラムに忠実なリーブスには口止めをした。
母親の初恋は成就しなかったが、息子を使ってまで、彼女の叔父と縁を結びたかったのか。
いつも取り澄ました顔をした母親が隠す生々しい女の執念を恐ろしく感じたが、これは使えると思った。
この婚約がジェレマイアの有責で解消となれば。
母親が怒り狂うのは目に見えていて、うまく行けばそれだけで勘当されるかもしれない。
そうなれば。
あのゴードンが叫んだというセリフではないが、
「これで、リデルを娶れる!」と思った。
しかし、テリオスの賭けに加わったことで、その予定が狂ってしまった。
アリアナ嬢には、人前で派手に破棄した事は本当に申し訳ないと思うが、彼女は同情される被害者であるし、同級生に恋人がいるのは調べがついていたので、そんなに心は痛まない。
婚約者に好きな男が出来たのを知っても、その相手が誰なのかまで調べる気はなかった。
婚約破棄をされた立場上、泣き崩れた演技をしたアリアナ嬢を抱きかかえるようにして、彼女を会場から連れ出した男子生徒が居たので、あれがその恋人なのかも、と出ていくふたりの姿を見ていた。
それが6年間も婚約していたのに、初対面の時から少しも距離が縮まらなかった婚約者との別れだった。
どうにかして婚約を白紙にしたくて、リーブスに頼んでその背景を探れば、アリアナ嬢の叔父が母親の初恋の男だった。
父親は知らないのだろうから、イングラムに忠実なリーブスには口止めをした。
母親の初恋は成就しなかったが、息子を使ってまで、彼女の叔父と縁を結びたかったのか。
いつも取り澄ました顔をした母親が隠す生々しい女の執念を恐ろしく感じたが、これは使えると思った。
この婚約がジェレマイアの有責で解消となれば。
母親が怒り狂うのは目に見えていて、うまく行けばそれだけで勘当されるかもしれない。
そうなれば。
あのゴードンが叫んだというセリフではないが、
「これで、リデルを娶れる!」と思った。
しかし、テリオスの賭けに加わったことで、その予定が狂ってしまった。
アリアナ嬢には、人前で派手に破棄した事は本当に申し訳ないと思うが、彼女は同情される被害者であるし、同級生に恋人がいるのは調べがついていたので、そんなに心は痛まない。
婚約者に好きな男が出来たのを知っても、その相手が誰なのかまで調べる気はなかった。
婚約破棄をされた立場上、泣き崩れた演技をしたアリアナ嬢を抱きかかえるようにして、彼女を会場から連れ出した男子生徒が居たので、あれがその恋人なのかも、と出ていくふたりの姿を見ていた。
それが6年間も婚約していたのに、初対面の時から少しも距離が縮まらなかった婚約者との別れだった。