きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
自分が駄目な子供だから仕方がないのだ、と尊敬する教師から刷り込まれたジェレマイアは、誰にも訴えられなかった。
それに加えてジェレマイアの身の回りの世話をしていたメイドも着替えや入浴時に目にするその傷を見ないようして、リーブスには伝えなかった。
だが、訓練で負うすり傷とは異なる傷を複数確認した治療士のデイヴが報告してくれたのに、息子を守るべき父親は……
「鞭を使った躾は伯爵夫人の指示だった」と言い訳をした家庭教師と、憧れていた彼を庇って傷の報告を怠ったメイドは解雇したが。
「それが教育だと思い込んでいたのだから、仕方あるまい」と母親には何の対処もしてくれなかった。
◇◇◇
当初、ジェレマイアはミネルヴァがテリオスを支持する派閥が用意したハニートラップ要員だろうと踏んでいたのだが。
それを知ると、テリオスは口角を上げて、心底面白そうに笑った。
「あれがハニートラップだと気付いたのは流石だが、残念ながら我が陣営ではないね」
「では、ユーシス殿下の……」
それに加えてジェレマイアの身の回りの世話をしていたメイドも着替えや入浴時に目にするその傷を見ないようして、リーブスには伝えなかった。
だが、訓練で負うすり傷とは異なる傷を複数確認した治療士のデイヴが報告してくれたのに、息子を守るべき父親は……
「鞭を使った躾は伯爵夫人の指示だった」と言い訳をした家庭教師と、憧れていた彼を庇って傷の報告を怠ったメイドは解雇したが。
「それが教育だと思い込んでいたのだから、仕方あるまい」と母親には何の対処もしてくれなかった。
◇◇◇
当初、ジェレマイアはミネルヴァがテリオスを支持する派閥が用意したハニートラップ要員だろうと踏んでいたのだが。
それを知ると、テリオスは口角を上げて、心底面白そうに笑った。
「あれがハニートラップだと気付いたのは流石だが、残念ながら我が陣営ではないね」
「では、ユーシス殿下の……」