きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
10 リデル
「……リィ」
大人になった彼の低く掠れた声が、耳を震わせた。
「君が来てくれるなんて……」
こちらに伸ばされた、痩せてしまった腕の細さに、胸が痛んだ。
「やっと、会えた」
思わず差し出した手を強く握られて、身体が熱くなった。
自分はなんて簡単で、なんてしつこい女なんだろう。
ひと目会えただけで、その声を聞いただけで。
また彼に恋をしてしまうなんて。
◇◇◇
だが……この胸の内をジェレマイア様に知られるわけにはいかない、とリデルは緊張して泣き出しそうになるのを我慢した。
自分の頬が紅潮していたらどうしよう、とも思う。
ジェレマイアは、リデルが来たので驚いていた。
院長が仰った『リデル・カーターの看護を、ご指名』したのは、多分リーブスで、ジェレマイアではない。
それならば、リデルは看護士の仕事を全うするだけだ。
決して、この気持ちを気取られてはならない。
大人になった彼の低く掠れた声が、耳を震わせた。
「君が来てくれるなんて……」
こちらに伸ばされた、痩せてしまった腕の細さに、胸が痛んだ。
「やっと、会えた」
思わず差し出した手を強く握られて、身体が熱くなった。
自分はなんて簡単で、なんてしつこい女なんだろう。
ひと目会えただけで、その声を聞いただけで。
また彼に恋をしてしまうなんて。
◇◇◇
だが……この胸の内をジェレマイア様に知られるわけにはいかない、とリデルは緊張して泣き出しそうになるのを我慢した。
自分の頬が紅潮していたらどうしよう、とも思う。
ジェレマイアは、リデルが来たので驚いていた。
院長が仰った『リデル・カーターの看護を、ご指名』したのは、多分リーブスで、ジェレマイアではない。
それならば、リデルは看護士の仕事を全うするだけだ。
決して、この気持ちを気取られてはならない。