きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~

  ◇◇◇


 翌日の騎士団の休暇初日、久しぶりにエラがお昼前に訪ねてきた。


 エラが到着する前に、デイヴが湖に釣りに行くと言うので、リデルは引き留めた。


「せっかくの休暇なんだから、ゆっくり身体を休めてよ。
 一緒にお昼、食べましょう?」 

「せっかくの休暇なんだから、同僚の顔を見るのは遠慮したいね。
 エラには、ゆっくりしてくれ、と伝えておいてくれ」


 デイヴが出掛けるのは、娘と友人が自分に気兼ねなく過ごせるように、と気遣ってくれているからだ。
 リデルはそんな気遣いをありがたく思い、素直に受け取ることにして、父の背中を見送った。



 エラに会えるのは、2ヶ月ぶりだ。
 リデルは週末休めるが、エラは平日が休みなので、ふたりの休日はなかなか合わない。

 
 彼女の好物はクリームシチューで、加えてリデルは朝から平たくて堅めのパンを焼いて、昼食を用意した。
 パンも普段は、柔らかいものを作るのだが、エラはこの堅いパンをシチューに浸けて食べるのが好きだ。
 トマトサラダは、ふたり並んでおしゃべりしつつ作り。
 出来上がった昼食を取りながら、お互いの近況などを聞かせ合った。


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