きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 その後リデルが、クラークとシーナが別れた話、
 シェリーからふたりを見返そうと持ちかけられた話、
 明日のシェリーの結婚式に行くと決めた話、
 彼女が貸すと言ったドレスの代金を支払った話などを話すと、それを最後まで黙って聞いていたエラは大きく溜め息をついた。


「リデルが行くと決めたんだから、それは止めないけど。 
 シェリーが縫ったドレスを買った、って……
 そんなの、あっちが着てって頼んでるんだから、その日着て、御礼だけ言って返せば良かったんじゃないかなぁ」

「無料で借りるなんて出来ないでしょう?
 シェリーはドレス代なんていらないって言ってくれたけど、わたしから買いたいってお願いしたの。
 材料費だってかかってるし、何より時間と労力とシェリーの想いがこもってる。
 次のレジーナ達の結婚式でも着られるし、無駄な買い物じゃないよ」


 エラから買った事については叱られそうだなと予想はしていたが、覚悟していたより怒る感じではなく、リデルの事を残念そうに言われてしまうと。
 自分の主張も、我ながら言い訳じみてるなと思う。


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