きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 リーブスは叱るくせに、やり方を教えてくれない。
「積極的に応援出来る立場ではないので」と冷たい。

 冷たいのは、デイヴも同じで、何度否定しても、
「遊びでリデルに近付くな」と取り付きようも無い。


 
 それ故、せっかくリデルの友人のケールが
「リデルに伝言があれば」と尋ねてくれたのだが、それに続けて
「ご伝言を預かっても、リデルがそれを望まないなら、これきり」とはっきり言われた。

 
 あの日、帰っていったリデルの、あの勢いを思い出す。
 彼女は自分の伝言なんて、受け取りたくないかもしれないと思った。  
 それでもうこれきりになってしまうのなら、今回は伝言を預けるのは止めた方がいい、と判断した。 


 それは昨日の事で、しばらくはケールからの接触は無いと思っていたのだが、彼女が取り急ぎ、と面会を申し込んで来たと言う。

 
 確か、今日はリデルに会っているはず……

 
 リデルに何かあったのでは、と了承し、立ち会いを頼んだリーブスの案内でやって来る彼女をやきもきしながら待てば。
 

 ケールは1人ではなく。


 その後ろには、彼女の母親を始めとした本邸のメイド一同を従えていた。

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