きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 エラが用事を思い出した、とリデルの家から帰ったのは、その粗をちゃんとしたものに変えるためだ。


 リデルのサイズはエラの頭の中に入っている。
 シェリーは、わたしに任せてくれたら素敵になる、と言ったらしいが。
 それはわたしがやる、とエラは決めた。


 このわたしが、リデルをシーナよりも。
 何なら、主役の花嫁シェリーよりも。
 綺麗で素敵な大人の女性に、してみせよう。
 敗北の涙を流すのは、シーナだけじゃない。


 だが、それには人手が要る。
 それも、飛び切りの。
 最高の腕を持つ人手が要るのだ。

 
 加えて、この絶好のタイミング。
 今日と明日は、騎士団の休暇で、邸内にはいつもより人が少ない。
 メイド達の仕事もそれだけ減っている。
 
 朝、仕事に向かう母も
「今日は楽が出来るわ」と言っていた。
 午後のこの時間なら、母達はのんびりお茶でも楽しんでいることだろう。
 

 
 だから、ジェレマイアに話を通す事にした。
 何事も領内最高の腕が集まるのが、ご領主様の本邸だ。
 最高の美的職人達の人海戦術で。


 リデルの隠されたポテンシャルを、最大限に引き出してみせよう。

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