きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
ここまでの作業を、全員一丸となってこなして、その日が終わり。
後の細かい調整は、明日リデル本人に着付けてから確認しつつ、針仕事が手早いレイカが見映えよく身体に沿うように仕上げることに決定した。
誰もが、次に自分がするべき作業を心得ていて。
「時間が足りない」と。
メイド達が忙しく動きながら、口々に言う。
しかしその表情は、誰もが本当に楽しそうに輝いていた。
自分自身はリデルを輝かせる技術を持っていない、と悔しい思いで作業を見守っていたエラに、皆に気を遣わせないように部屋から出ていたジェレマイアが声を掛けてきた。
「ケール、明日リデルに会いに行く前に、こちらへ寄ることは出来るか?」
「はい、御用がございましたら、寄らせていただきます」
明日の朝に本邸に寄る事を了承したエラに、翌日ジェレマイアは小さな箱を手渡した。
「これをリデルの髪に、挿して欲しい」
その小さな箱に詰められていたのは、イングラムでは本邸の庭にしか咲かないと有名な、白いビオラだ。
リデルの黒髪を飾るために、今朝ジェレマイアが庭に出て、手ずから切り、箱に詰めたものだった。
「評判を底辺まで落とした俺は、表立ってリデルには何も出来ない。
……だから、これだけでも」
後の細かい調整は、明日リデル本人に着付けてから確認しつつ、針仕事が手早いレイカが見映えよく身体に沿うように仕上げることに決定した。
誰もが、次に自分がするべき作業を心得ていて。
「時間が足りない」と。
メイド達が忙しく動きながら、口々に言う。
しかしその表情は、誰もが本当に楽しそうに輝いていた。
自分自身はリデルを輝かせる技術を持っていない、と悔しい思いで作業を見守っていたエラに、皆に気を遣わせないように部屋から出ていたジェレマイアが声を掛けてきた。
「ケール、明日リデルに会いに行く前に、こちらへ寄ることは出来るか?」
「はい、御用がございましたら、寄らせていただきます」
明日の朝に本邸に寄る事を了承したエラに、翌日ジェレマイアは小さな箱を手渡した。
「これをリデルの髪に、挿して欲しい」
その小さな箱に詰められていたのは、イングラムでは本邸の庭にしか咲かないと有名な、白いビオラだ。
リデルの黒髪を飾るために、今朝ジェレマイアが庭に出て、手ずから切り、箱に詰めたものだった。
「評判を底辺まで落とした俺は、表立ってリデルには何も出来ない。
……だから、これだけでも」