きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~

20 リデル

 前日、用事を思い出したと急に帰ってしまったエラは、約束通りに午前中に顔を出してくれた。


 それも本邸に勤める女性2人を連れて、大小4つの箱を携えて。
 その女性達も、何やら荷物を抱えていて。
 その内の1人がエラの母なので、リデルは驚かされたが、デイブも同様に慌てていたので、父にも何も事前連絡はなかったのだろう。



「エラ、皆さん、ごめんなさい。
 来てくだったのに申し訳ありませんが、わたし、そろそろ……」  


 せっかく来てくれたのに申し訳なくて、リデルは3人に謝った。
 そろそろ出ないと、シェリーとの約束の時間に間に合わない。
 今日は結婚式日和で、お天気も良くて暖かいので、教会までゆっくり歩いて行くつもりだった。


「あぁ、大丈夫。
 リデルのお化粧と着付けは、家でするからって、ちゃんとオドネルさんに連絡してるから。
 リデルは早めに行かなくていい」


 そう言うエラは、いつオドネルさんに会ったのだろう。
 それにお化粧と着付けを家で、と言うけれど、ドレスはまだシェリーが持っているはず。


「母さんは髪のセットとお化粧担当。
 で、こちらのレイカさんは、ドレスをフィッティングしてくれるから。
 リデルはおとなしく、お任せして?」


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