きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
 リデルのために来てくれた2人への挨拶もそこそこに、デイヴは別の部屋へ追いやられ、リデルは下着姿にさせられた。
 長椅子の上には1つ目の大きな箱が置かれ、その中にラベンダー色が見えたリデルは傍らに立つエラに確認した。


「もしかして、昨日あれからドレスを取りに行ってくれたの?」
 
「まあね。
 わたしのリデルがあのクズふたりを見返す手伝いを、シェリーに譲るわけがない」 

「……あ、ありがと」


『わたしのリデルが』なんて、父にもクラークにも言われたことが無くて、リデルは照れた。

 小さな声でエラに御礼を言いながら、パタパタと片手で顔を扇ぐリデルを、優しい目で見ていたエルザと同僚のレイカは、頷き合った。


「時間がないわ、始めましょう。
 リデルはこの手の靴は初めてでしょう? 
 馴染ませたいから、今から履いてね。
 それと、この家で1番大きな鏡はどこにあるの?
 先ずは髪とお化粧をするわね。
 それが完了してから着付けよ」


 これからの流れをテキパキと告げながら、エルザはリデルがこれ迄履いたことも無い華奢な靴を箱から出して履かせ。
 ドレスの下から薄手のガウンを取り出して、リデルに着せ掛けた。
 

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