きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
「リデル、間違えないでね、わたしが先なのよ」

「それ、どういう事ですか?」

「あなたよりずっと前からクラークと付き合っていたの。
 で、わたしが先に卒業して、働きだしたら余裕もなくなって、ちょっと離れてたら、リデルと付き合っているみたいだって聞いて」


 
 知らなかった。
 リデルとクラークとシーナは、学園で同じクラブに所属していた。
 1年先輩のシーナが在学中に、クラークと付き合っていたなんて。


「クラークは淋しかったのね、つい手近に居たあなたに手を出しただけ。
 わたしも仕事が落ち着いてきてたし、会えばね、やっぱり戻るでしょう?」

「会えば、って。
 どちらから会いたい、って?」

「えーっ、それ重要?
 どっちだったかなぁ」

「……君だよ、シーナ」


 そう言いながら隣に座るシーナの顔を覗き込むクラークの口調と声は甘く聞こえ。
 そんなあからさまな態度を見せつける元恋人を、リデルは冷めた目で見ていた。


 そうか、わたしは『お前』。
 よりを戻した先輩は『君』。
 なんて、わかりやすい男だろう。


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