きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
服装と化粧に手間を掛けただけで。
リデル・カーターが、こんなに綺麗になるとは思わなかった。
誰よりも早くに、自分は
「この女は大人になれば、しっとりした色気が出る」なんて、偉そうに分かったようなふりをしていたが、本当は分かってなかった。
原石だ、原石だった。
地味なリデルが、磨けばこんなに光る原石だったなんて。
お元気でした? と特に意味の無い挨拶をされて。
1拍遅れて返事を返そうとしたのに。
もうリデルは反対側の男、1年先輩だったジョイスに声を掛けられて、談笑している。
ふたりの会話の隙間に入り込んで、リデルにこちらを見て欲しいのに。
ジョイスはそんなクラークの焦りに気付いていて、わざとそうしているのか、次々とリデルに話題を振っている。
その内に、ジョイスの隣の席に居た女まで会話に加わり出して、
「そのお化粧は、どこで?」と尋ねている。
ジョイス以外の奴も会話に加われるのなら、俺だって、と。
「それは……」と言い掛けているリデルの言葉に割り込んで、
「俺は知ってる。今日のシェリーの化粧の担当者だよな」とマーティンから聞いていた情報を、未だにリデルの関係者面して、話に混じれば。
ようやくリデルはこちらを向いて、たった一言。
「違う」とだけ、クラークに言って。
完全に背中を向けた。
リデル・カーターが、こんなに綺麗になるとは思わなかった。
誰よりも早くに、自分は
「この女は大人になれば、しっとりした色気が出る」なんて、偉そうに分かったようなふりをしていたが、本当は分かってなかった。
原石だ、原石だった。
地味なリデルが、磨けばこんなに光る原石だったなんて。
お元気でした? と特に意味の無い挨拶をされて。
1拍遅れて返事を返そうとしたのに。
もうリデルは反対側の男、1年先輩だったジョイスに声を掛けられて、談笑している。
ふたりの会話の隙間に入り込んで、リデルにこちらを見て欲しいのに。
ジョイスはそんなクラークの焦りに気付いていて、わざとそうしているのか、次々とリデルに話題を振っている。
その内に、ジョイスの隣の席に居た女まで会話に加わり出して、
「そのお化粧は、どこで?」と尋ねている。
ジョイス以外の奴も会話に加われるのなら、俺だって、と。
「それは……」と言い掛けているリデルの言葉に割り込んで、
「俺は知ってる。今日のシェリーの化粧の担当者だよな」とマーティンから聞いていた情報を、未だにリデルの関係者面して、話に混じれば。
ようやくリデルはこちらを向いて、たった一言。
「違う」とだけ、クラークに言って。
完全に背中を向けた。