WHITE PRINCESS
ピンポーン ピンポーン―……
―――“ドンドンドンドン!”
「アンナ!!居るんでしょ!
アンナ!!開けて!!」
―――……結衣??
「アンナちゃん!!」
―――……寛貴君?
―――“カチャッ”
重い扉を
力いっぱい押した。
そこには結衣と寛貴君が
不安そうな顔で立っていた。
「アンナ!!?」
2人の顔から血の気がひいていくのが分かる。
「………アンナちゃん、それ…」
結衣の目から大きな涙がこぼれた。
――ああ、やっぱり。
3日前、鏡に映った
めちゃくちゃの顔は
私の顔だったんだ…………
「――…遅かった。
私が、もっと早く助けてれば…」
結衣が力なく言った。
私は結衣の目から落ちる
涙をずっと見ていた。