WHITE PRINCESS
外に出るなんて久しぶりで
歩いていると自然に頬が緩む。
街はもうX’mas気分。
―――そういや、もう12月だもんなあ。
駅前には大きなツリー。
そのツリーより
私が今日、結衣の家を出る前に
した決意の方が、きっと大きい。
―――――……
呼吸が早くなる――…
私の携帯も財布も服も通帳も……
この部屋の中にある。
大丈夫――…大丈夫だ――…
隼士は仕事の時間。
私は管理人さんに頼んで
部屋の鍵を開けてもらった。
――――――……
臭っ………
部屋は酒とタバコの匂いで溢れていた。
隼士、タバコ吸うっけ?
お酒も強くないはずなのに…
少し隼士の今の状況が気になる。
―――…でも、
私はもう決めたんだ。
私は急いで大きな鞄に荷物を詰めた。
早くしなきゃ――…