WHITE PRINCESS



――――……




目的地に着いた頃――‥


空は私の気持ちを表しているかのように
薄暗い雲から雷を光らせる。





今日もまたこの駅は

たくさんの行き交う人々で溢れていて

自分が進むべき道さえ見えない。



私は柱にもたれ、

人を待ち伏せる。


怒りは今にも爆発しそうだ。



そのとき


サラサラの金髪が目に映った。



「――…‥あ。」


一瞬目が合ったのに

翔平は私から素早く目を反らした。



そして人混みの中を歩く

一人の女の子に媚び売るように

声をかけた。





―――“ポツ”…‥


―――――“ザー”



突然雨が降り出した。


私の目は翔平から離れない。



――あの日笑顔は


私に向けられたものじゃない…‥



翔平の笑顔はお金のため…‥






――――――…‥


その時、




以前より数倍やつれた
スーツ姿の男が見えた。




私の足は自然と男の方へ向かい、
腕を勢い良く掴んだ。
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