WHITE PRINCESS



「――っ翔平‥?」





「悪いけど他の奴捜して。」




心臓の音が
部屋に響いちゃうんじゃないかと思った。




「だから金払ったの!
もう遅いって!
一条さんに聞いてみな!」



プロデューサーが怒って
翔平と私を離そうとする。



翔平の腕の力が強くなる――…




「――違約金!!」


プロデューサーの動きが
ぴたっとやんだ。



「…‥いくら?」



翔平の声が静かに響く。



「…‥…4…‥」


プロデューサーの
落ち着きを取り戻したかのような
驚いているかのような小さな声。



翔平は私の体を離すと
ジャケットの内ポケットから
札束を出した。




「5はある。
代表には俺が話つけてくる。」




そう言うと、札束を机に置いた。



プロデューサーは
札束を見て目を丸くした。



私は翔平に手を引っ張られて
スタジオを出た。





――――――…‥
< 44 / 87 >

この作品をシェア

pagetop