WHITE PRINCESS
紅白がエンディングに近付く。
「あーあ。今年も終わりかあ。」
テレビの前でダラダラしている私の頭が、何かで覆われた。
「早くしろよ!今何時だと思ってんだよ!」
きっちり防寒した翔平の手には車のキー。
――――――――………‥‥
「このままじゃ、車の中で明けましておめでとうじゃん!!」
たびたび信号に捕まる運悪い私達。
「行くって言いだしたの誰だよ!」
車内で今年最後の喧嘩。
「あー!あと一分もない!!どうしよ!」
「うるさい。黙れ。」
「うるさいのは、翔平でしょ!」
あまりのテンションの違いを不満に思った私。
意味の分からない事を言ってたことくらい分かってる。
「もー意味わかんない!」
私がそう言うと、翔平に腕を掴まれて、
抱き寄せられた。
「俺と付き合えよ。」
新しい年の始まりの鐘が聞こえた。