偽りの恋人から一途に愛を注がれています。
さえない経理部の女性社員が営業部のエースにつきまとった挙げ句、きっぱり拒絶されたらしい――。
「少し優しく接したら、好意があると勘違いしたらしい」
「お断りされたのに、家まで追いかけたみたいよ」
「警察沙汰になりかけたとか」
そんな面白おかしい噂話は、あっという間に広まってしまった。
噂を流したのは檜山本人だ。
「お前に振られたなんて皆にバレたら、俺の経歴に傷がつくだろ。まぁ、訂正してほしけりゃ付き合えよ。嫌? なら自分で訂正して回れよ。誰もお前の言葉なんか信じないだろうけどな」
と、堂々と茉莉花に言ってのけたのだから呆れてしまう。
(クズなところも似ている……本当に最悪)
檜山を密かに慕っていた女性社員達も多いらしい。
先ほどのようにヒソヒソと嘲笑されるのも初めてではなかった。
「人の噂も七十五日よ。仕事に支障はないんだし、しばらくしたら落ち着くはずよ」
茉莉花は自分の頬をポンと叩いてトイレを後にした。
「少し優しく接したら、好意があると勘違いしたらしい」
「お断りされたのに、家まで追いかけたみたいよ」
「警察沙汰になりかけたとか」
そんな面白おかしい噂話は、あっという間に広まってしまった。
噂を流したのは檜山本人だ。
「お前に振られたなんて皆にバレたら、俺の経歴に傷がつくだろ。まぁ、訂正してほしけりゃ付き合えよ。嫌? なら自分で訂正して回れよ。誰もお前の言葉なんか信じないだろうけどな」
と、堂々と茉莉花に言ってのけたのだから呆れてしまう。
(クズなところも似ている……本当に最悪)
檜山を密かに慕っていた女性社員達も多いらしい。
先ほどのようにヒソヒソと嘲笑されるのも初めてではなかった。
「人の噂も七十五日よ。仕事に支障はないんだし、しばらくしたら落ち着くはずよ」
茉莉花は自分の頬をポンと叩いてトイレを後にした。