いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
外交官と留学生
ふたりの出会いは、麻衣子がイギリスに留学して一か月が経った秋の夕暮れ時。友人に
招かれたホームパーティーでのことだった。
麻衣子にとっては日本に居た頃も含めて初めてのホームパーティー。ドレスコードはカジュアルエレガンスとのことだったので、思い切ってクリームイエローのワンピースを新調した。
いつもは邪魔にならないように纏めている肩の長さのストレートヘアを、アイロンで巻きフルメイクをして、華やかな場に相応しい装いになるよう自分なりに気を遣った。
しかしいざやって来たパーティーは、麻衣子が想像していた以上に盛大だった。
個人宅とは思えない、三階建てのアパート二棟分くらいはありそうな邸宅にしり込みしながら入った玄関ロビーは、まるで高級レストランのエントランスのようで、きらびやかな内装に高価な芸術品があちこちに飾ってある。
物珍しさにキョロキョロしていると、続々と招待客がやってきた。
麻衣子以外は面識があるようで親しそうに挨拶を交わし会話を楽しんでいるが、半分程度しか聞き取れない。
戸惑っていると、「麻衣子!」と馴染みのある声で呼びかけられた。
「あ……亜里沙」
ほっとして友人のもとに歩み寄る。