いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
変化
大輪のピンクのダリアを中心に、周囲は薄紫の少し小さな花をバランスよく入れる。グリーンで彩ってから、可愛くて華やかにというオーダーに合わせて、ピンクとベージュのラッピングペーパー包み華やかに仕上げた。
「お待たせしました。こちらでいかがですか?」
お客様に出来上がった花束を差し出すと、ぱっと顔を輝かせて喜んでくれた。
「わあ、きれい。すごくいい感じです」
お客様は喜んで会計を済ませて、出て行った。
「ありがとうございます」
麻衣子は深く礼をして見送り、使用した花材の片付けをはじめた。
(よかった、気にいってくれたみたいで)
花屋の仕事で喜びを感じるのは、やはりお客様の笑顔を見たときだろう。
役に立てたのだと実感するし、一生懸命作った甲斐があったと思う。