尽くし系女子は再会した幼馴染に甘やかされる~恋なんてもうこりごりだと思っていたはずなのに~
第1章 男運が悪いというべきなのか
 ダメ男の特徴とは?

 浮気癖がある。時間にルーズ。金遣いが荒い。人の話を聞かない――などなど。

 スマホ画面に映る内容に、私は大きくため息をついた。

(全部、全部当てはまってる――)

 項垂れてしまいそうになるけど、気を持ち直そう。

 そうだ。ダメ男と別れることが出来たのだから、これでいい――と自分に言い聞かせる。

 目の前のアイスカフェラテをストローで混ぜて、口に運ぶ。砂糖の入っていないカフェラテは程よい苦みで、私の心を少しだけ落ち着けた。

 一緒に頼んだショートケーキをフォークで切って、口に運ぶ。生クリームたっぷりの甘いケーキ。美味しいし、カフェラテによく合っている。……ただ、無性に腹が立つ。

(誰が今まで養ってやったと思ってるのよ!)

 苛立ちが顔に出ていたのか、近くの席のご婦人が私から露骨に視線を逸らした。

 気まずい。気まずいけど――この状況に腹を立てずにいられる人間がいるのなら、それはもう神さまだ。

 少なくとも人間業ではなく、人間の私には無理な芸当。

「……絶対、絶対に許さないんだから!」

 私がこんなにも怒っているのには明確な理由がある。それは今から三時間前の出来事だ。
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