救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 サブリナは彼らの話を聞きながら、その部分が引っかかってしまった。それは、ダミアンではない、ここに居ない人の別称のような気がしたからだ。

「……何故、魔界の門を開放した。魔物大暴走(スタンピード)が起きれば、この国だけではない。周辺諸国を巻き込み、相当に恨まれるだろう。お前にはこのアシエード王国を焦土にして、何の得がある」

「別に焦土にするつもりなんて、なかったよ」

 ダミアンが静かに聞けば、モードレッドは肩を竦めて、にやりと悪い笑みを浮かべた。

「理解出来ないな。どういう意味だ……?」

「封印は確かに壊したが、俺が修復するつもりだった。そうすれば、俺はアシエード王国を滅亡から救った英雄となり、お前の言う周辺諸国からも讃えられるだろうな」

「そのために古くからある魔法を壊し、封印を解いたというのか? なんと、馬鹿な事を」

「別に良いだろう。すぐに封印を施せば、魔界の門は開かない。魔物大暴走(スタンピード)は起きない。俺が讃えられるだけに終わった。そこの女が居なければな……!」

 呆れかえった声音でダミアンは言い、モードレッドはサブリナを指さした。

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