救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~

15 囚われの妖精

 サブリナは謎だらけな大魔法使いルーファスの過去について、不思議に思うことも多く、知りたいと思っていた。けれど、彼があんなにも壮絶な過去を背負っているとは知らなかった。

(ルーファスは人を避けて暮らしていたから、急にアシエード王国に喚び出されて不機嫌だったということ……?)

 初対面の時のルーファスは、確かに不機嫌な様子を見せていた。

 あのような辛い過去があって、人を避けて暮らしているというのに自分の意志も確認されずに召喚されてしまえば、ひどい態度になってしまっても無理はないだろう。

 ルーファスは聖人でもなんでもないのだから。

 ルーファスはサブリナとお茶を飲んだ後、分厚い本から得た情報で魔界の門に刻まれた紋様の解析へと戻った。

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