救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~

16 門番

 サブリナの事をじっと見つめるルーファスは、何かが起こるのを、まるで待っているかのようだ。

「……ルーファス?」

 動けないままサブリナは何があるのだろうと不思議に思い、彼の名前を呼んだその時に、それは起こった。

 いくつかの透明な大きな刃がサブリナの背後に飛んで、どさりどさりと何かが地面に落ちる重い音が響いた。

(え。何……? 木では……ないよね)

 すぐ近くに居たはずの未知の存在を知り、ぞっとした恐怖を感じサブリナは動けずに居た。

「サブリナ。もう大丈夫だ。振り返らずにこちらへ」

 ルーファスが自分の近くに来るよう促したので、サブリナはパッと走り出し、彼はぶつかるようにして当たった彼女の身体を抱き止めた。

 サブリナはルーファスが倒したそれが、未だ何だったのかを見ていない。

 けれど、自分が先ほど命の危険に遭って、彼がそれを救ってくれたのだということは良く理解していた。

(何? 怖い……おそらく、私のことを、殺そうとしていた)

「大丈夫だ。サブリナ。だが、森には近づいてはいけない。魔界の門の封印は、未だ不安定だから」

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