救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~

18 危険な罠

「ルーファス。おはようごさいます」

 サブリナが朝食のために食堂に現れると、ルーファスはにこやかに微笑んだ。

「おはよう。サブリナ。昨夜は遅くまで起きていたようだね」

「っ……あ。知っていたのですか?」

 どうやらパックと話していたことを知っている口振りに動揺したサブリナは、それでも優雅に彼の対面の席に腰掛けた。

「ここは今、僕の邸だからね。魔物や不審者が近寄らぬようにしているし、あれが君の所に行けたのは、呼ぶために用意もしていたから僕が許可した」

「……ありがとうございます」

 昼に助けたパックを呼ぶため、ミルクとクッキーを用意していたことまでルーファスに知られていた。

(それもそうよね……彼は大魔法使いだし、遠い距離だって一瞬で移動してしまえるのよ。こんな事で驚くのもおかしな話だわ)

 それも、世界に数人しか居ないという大魔法使いだ。

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