リアル・アクション・アプリ
R-リアル
【R‐リアル。
それはリアルな今を切り取って投稿するアプリ。
加工や編集はNGです。
今するR‐リアルをダウンロードして、世界のみんなとつながろう!】




そんな宣伝文句が書かれたメールが送られてきたのは自分の机に到着してカバンをおいたときだった。
「瞳、何見てんの?」

隣の席の直海知里が口の中で飴玉を転がしながら質問してきたので、私、矢崎瞳はスマホ画面から顔を上げた。

知里はふっくらとした頬を少し赤らめて顔を向けてくる。
今よりももっと気温が下がってくれば色白の知里の頬は真っ赤に染まる。

まるでリンゴみたいだと、中学1年生だった去年クラスメートたちにからかわれていた。
それを止めに入ったのが私だった。

その時からなんとなく仲良くなって、2年生に上がっても同じクラスだったこともあり、更に仲良くなった。

時折見せる正義感のせいか、2年生にあがった頃知里はしきりに私を学級院長に推薦してくれて、今はその仕事を任されている。

「なんでもないよ。それより先生が来る前に飴玉食べちゃわないといけないよ?」
「わかってるって。瞳はそういうところは寛容だと思ってたんだけどなぁ」
知里はブツブツ言いながら身を引いた。

知里に注意したものの、自分も禁止されているスマホを使用してしまったのでちょっとだけ罪悪感がのしかかってくる。
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