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私たちにとっては当たり前になった日常だけれど、知里と美穂からはしょっちゅうからかわれている。
美穂なんて、そろそろ告白すれば？　なんて言ってくるし……。

そんなことを考えていたら隣の昇をやけに意識してしまって、活字が頭に入ってこなくなってしまう。

本から目を話して横目で昇を見つめると、昇は真剣な表情で都市伝説詰め合わせ本を読み進めている。

真剣な表情の昇はいつもと違ってなんだかかっこよく見えてしまって、胸のあたりがギュッと締め付けられる。

「どうした？」
視線に気がついた昇が本から顔をあげてこちらを向く。
「な、なんでもないよ」

私は慌てて首を左右に振って答えて、恋愛小説で自分の顔をかくした。
きっと、私の顔は今真っ赤に染まっているだろうから。
そんな私を見て昇は不思議そうに首をかしげたのだった。