リアル・アクション・アプリ
私は、不幸が続いているせいで外出しにくくなっているけれど、知里は両親をうまく言いくるめて外出することができたんだろう。

「おはよう……」
知里の声にいつもの元気はない。

今にも消えてしまいそうな声は切なくて、自信がなさそうに聞こえる。
「大丈夫だよ知里。昨日のアレを見たでしょう?」

聞くと知里は少し目を見開いて頷いた。
五十嵐花子のお墓へ言ったとき、4人全員が違和感に気がついていたのだ。

今日はそれを探りにいく。
「きっとあそこになにかあるんだよ。それがわかれば全部解決する」

私は自分に言い聞かせるように言って、知里の手を握りしめて歩き出したのだった。
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