あなたは彼氏…







ねぇ、覚えてる?












一年前の体育祭。









応援団の中に君が居た。







黒い長ランに、白いハチマキしめて、沢山いる男子の中一際君に惹かれたの。









それまでクラスが違ってたから意識したこともなかったけど…………






―うわぁ………カッコイイなぁ―







ピンと伸びた背筋に、長い手足。
ちょっと冷たさを思わせるような切れ長の猫目。







うちの学校ブレザーだから、イベントの時に学ラン着る男子に惚れちゃう女の子が増えるってウワサ……私も例外じゃなかったみたい。





まさに一目惚れだった。








真剣な顔。動く度に揺れる髪、飛び散る汗に………目が離せなかった。













それからまもなく、君と知り合うきっかけになった出来事。









保健委員で偶然当番をしていた保健室に、チームメートにかかえられて運ばれてきた男の子。





『すんませーん。コイツ、サッカーのプレー中に接触して……』

「あ……」







―あの時の……―






目が離せなかった男の子だった。
痛いのか、辛そうに脂汗浮かべて俯き加減だけど…間違いない。







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