桜と果実
はじまりと終わり
先生というものは私の天敵だった。
私には優秀な兄と姉がいた。それぞれ2つと4つ違いで年が近いせいかよく比較の対象になっていた。
2人とも成績優秀でかつ品行方正。そんな彼らだから教師からの信頼は厚く、何を言っても信頼された。
そんな兄と姉に対して私は学力は並。勉強が嫌いという事もあるが、平均を切るか切らないかでいつも彷徨っていた。その割に見た目の華やかさだけは兄妹の中でもずば抜けていて、何もせずとも自然と人が周りに集まった。
教師達はそれを良しとしなかった。勉強もせずに遊び呆けている、おしゃれだの恋愛だのにうつつを抜かしてやるべきことを疎かにしていると。そしてその矛先はいつも、勝手にリーダー格にされていた私に向けられた。
反骨精神とでも言えばいいのか、何かクラスで問題がある度に私に責任が向けられ、あまつさえいじめの主犯格のようにされた。
私は誓ってクラスメイトを悪様に扱った事は無いし、ただ単純に交流がないから関わらなかっただけ。それを仲間はずれにしたと言いがかりをつけられた。
両親は世間体を気にする人達だった。
兄や姉も、成績の悪い私を見下していた。
私に寄ってくる人は多かったけれど、ただ派手な見た目に惹かれて目立つグループに属していたいだけだと、心のどこかで分かっていた。