姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「さて、王女の降嫁については帝内庁がつつがなく取り仕切るだろう。俺たちは、サドニア神聖王国との海底鉱山の共同採掘計画について草案を纏めるぞ」
「ジンガルド様。どこまでもついていきます。今なら光の石を採りに海底に潜ることも厭いません」
「宰相に潜水させる馬鹿がどこにいる。潜るのは潜水士だ。というかお前、カナヅチだろうが」
「あくまでも心意気の話ですよ。まったく野暮ですねぇ」
 これ見よがしなため息をつかれ、こめかみに青筋が浮かぶ。オズモルト相手に稀に真面目な話をすると、必ずこちらが疲弊して終わることになる。
 この男相手に二度と真剣な話などするものかとフンッと鼻息を荒くして、手ずから目の前の政務室のドアハンドルを引いたのだった。
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