うしろの正面だーあれ
同じクラスに、美津と同じ様に からかわれている少年が居た。
名前は亀井 義孝。
彼は読書が好きな、物静かな少年だった。
何故、彼がいじめられるようになったのか
それは、運動会のことだった。
彼は走るのが誰よりも苦手で、それでもクラス対抗リレーがあったため、彼は一生懸命 走った。
しかし、やはり他のクラスと大きな差をつけられてしまったのだ。
“本物の亀に走らせた方が早かったんじゃないの?”
“本ばっか読んでるからだよ!”
“お前さえいなけりゃ勝ってたんだぞ!”
それでも彼は耐えた。
自分が悪いのだと…
何もかも自分のせいなのだと…。