うしろの正面だーあれ
入学当日に気付いたこと。
それは、このクラスには番長が居ること。
偶然なのか必然なのか、あの事件に関わった全ての人間が同じ高校を受験し、合格した。
そしてまた、有り得ない確率で全員同じクラスになった。
もちろん小学生の頃に番を張っていた杏奈と早織も。
しかし、このクラスにおけるリーダー格は、彼女達ではない。
鶴見 憂【ツルミ ユウ】♂
亀地 沙良【カメチ サラ】♀
2人は明るく優しい人気者だった。
いつもクラスの中心に居る、なくてはならない存在だった。
だから、番長と呼ぶには あまりふさわしくないと思う。
はっきりと言えることは、彼らは 杏奈達のような独裁者では一切 無かったということ。
そして、それをまた、杏奈が快く思っていないということだった。