うしろの正面だーあれ
「は〜い。」
突然 ある者が手を上げた。
「どうした?高井戸。」
「亀地さんが委員長になるの、反対〜。」
杏奈のその言葉に、クラスは一瞬にして静まり返った。
「…どうしてだ?お前が委員長に立候補するのか?」
「…まぁ、やってあげてもいいけど?」
「…亀地、どうだ?」
「ん?あぁ、別にいいよ。
あたしは身を退きマス。」
「そうか。…じゃあ女子の委員長は高井戸でいいか?」
クラスからの返事は無い。
「てか、空気読めってかんじ。」
「『やってあげてもいいけど?』って何様だよ。」
「おじょー様だろ?」
「知ってる〜!高井戸さんって社長令嬢なんでしょ?いいよねー金持ちは、金にもの言わせられて。」
「てか沙良ちゃん可哀想〜。
あたし、絶対 沙良ちゃん派!」
「俺も〜。」
担任や杏奈達に聞こえない程度の声で、みんな次々に言い合った。